気になった施設や事業所は応募する前に自分の目で確かめることも大切です。実際に足を運んで見学することで交通アクセスや施設内の衛生管理など、書面では分からなかった情報を知ることができます。
有料老人ホームや特別養護老人ホームなどの高齢者介護施設は常に見学を受け入れています。日中は利用者の家族も面会に訪れており、見学の対応にも慣れているため快く了承してくれるでしょう。当日見学したい旨を伝えてすぐに受け入れてくれるところもありますが、求職者という立場を考えると当日いきなり見学させてもらうのはあまり印象がよくありません。事前に必ず都合を聞いてから伺うようにしましょう。服装は基本的にスーツです。特に畏まる必要はありませんが、社会人として最低限のマナーは押さえておきましょう。
はじめに「利用者の様子」を確認しましょう。見学の際に利用者の様子を目にすることが多々ありますが、どのような様子なのかをよく確認しておきましょう。1人でボーッとしている人や車椅子から落ちそうな人がいる場合は注意が必要です。危険な状態になる可能性もあるのに職員が気づいていないようなら人手が足りていない可能性があります。
次は「職員の態度」です。受付や事務、施設内を案内してくれた人、実際に利用者の介助をしている人たちの表情や話し方をよく確認しましょう。もしその施設で働くことになれば、先輩となる人です。お互い協力し合うことになるため、困った時に助けてくれそうな人なのか、介護の仕事に熱意を持っているのか、などをイメージして働いている姿をチェックしましょう。少しでも疑問に思う点があるなら、その職場は自分に合っていない可能性があります。入職後を見越したイメージを持って見学しましょう。
加えて「衛生管理」にも注目しましょう。衛生管理状況を見るだけで大抵のことは分かります。外観や玄関がきれいでもトイレや共有スペースが汚れていたら掃除が行き届いていないということです。人手が足りていないのか、清潔保持に無頓着なのかは分かりませんが、汚い場所よりは清潔な方がよいに決まっています。清潔かどうか細かくチェックしましょう。
職員の中には親しみを込めて利用者を「ちゃん」づけで呼ぶ人もいますが、若い職員が高齢者を「ちゃん」づけで呼ぶ姿にあまりよい印象はありません。人生の大先輩である高齢者を軽く扱っているように見えますし、失礼な態度を不快に思う人もいることでしょう。介護の仕事はサービス業です。利用者がいなければ仕事が成り立ちません。職員の態度でその施設のレベルや教育体制も分かります。どのように接しているのかよく確認しましょう。